和尚のひとりごと

曹洞宗 島田地蔵寺 「和尚のひとりごと」です。
竹馬の友 解散

「竹馬の友」の解散
 来世も一緒だ
「竹馬の友」とは、文字通り竹馬に乗って一緒に遊んだ友のことで、気心の通じる親友という意味になります。その友も成長するにつれそれぞれの道を歩み、時々会う程度と思いますが、私の「竹馬の友」は保育園以来今も定期的に会っています。実に七十年。これは珍しいと思います。その会を先月解散しました。
 私たちは昭和二十三年、二十四年生まれの第一次ベビーブーマ。天白村に保育園はこの地蔵寺境内の一か所。各地から集まり、小学校は違っても、中学校は一校ですからまた顔を合わせます。特に地元の仲間は、高校は別になっても、四十歳の厄年にはお宮様の大みそかと年賀のお守りをする習慣から、三十五歳ころからその準備を名目にまた集まります。そして、積み立てとおきまりの小宴会が四十歳まで毎月続くことになります。
 
この会は、普通は行事を終えて解散ですが、我が仲間は今まで続いたのです。さすがに毎月の小宴会は三か月おきになり、メンバーも十二名となりましたが、年一度の小旅行と毎月の集金は変わらず行ってきました。会則はありませんが、和尚である私は最後までみんなの面倒を見ることとされ、全員を見送ってから旅立つことになっています。
 ところが、昨年十二月に私は「クモ膜下出血」を起こしたことで少し弱気になり、役員に「会の継続」を相談しました。結論は「存続するが集金を停止し清算」をすることになりました。
 二月二十日、入院中を除き十人が集り、近況を聞くと何らかの病を患っている者は私も加わり八名。無病宣言者は肩身が狭い。皆それぞれそれなりに人生を送ってきているのです。思い出話の後、精算金の話に移ります。
精算金は二百万円余
毎月三千円の集金でよく飲みよく食いよく歌いましたが、最近の支出はなく、総額で二百万円ほど残っています。計算では一人十八万円の返金ですが、私にはある思惑がありました。それは「この仲間のことを形で残したい」、しかも、「地蔵寺に残したい」という願いです。簡単に申せば、自分が住職をする寺に残すという「虫のいい話」なのです。
躊躇しましたが、言ってみました。「半分配る。残りは、地蔵寺境内に皆の記念を残す」と。一人でも異論があれば取り消すつもりです・・・すると、いつも難しい話をする友が開口一番「それはいい」と即応するのです。見渡すと皆の顔が笑っています。島田交差点角に一代で上場企業を起こした同窓の牧誠君が贈ってくれた小公園があります。そこに手水鉢を置こうと前から考えていたのです。
私は幸せなことに下の名前で呼び合う仲間が地元にいます。七十年の付き合いです。この仲間との縁は消えそうもなく、来世も一緒と思っています。
 檀信徒の皆様とも来世は一緒です。


日時 2021年04月08日 06:37 | 分類項目: 和尚のひとりごと | 固定リンク(この記事のURL)


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