和尚のひとりごと

曹洞宗 島田地蔵寺 「和尚のひとりごと」です。
精神科の先生

イライラするのは・・若いからですね
「うつ病です」という四十六歳の女性に同行して、精神科の病院を訪ねた。心療内科というのだそうだが、待合室に想像以上にたくさんの人がいて驚いた。元気そうに見えるこの人にどんな悩みがあるのだろうか。
やがて名前を呼ばれ診察を受けることになった。私は付き添いだが、先生の配慮で入室し、彼女から斜め前に座った。
「どうされましたか」
「・・私、最近、イライラするものです」
「そうですか、イライラするのですか、・・・それはね、脳が活性化しているからですね。若いからですね」
その時です。うつむいていた彼女が顔を上げて、ふっと微笑んだのです。
彼女は私が自動車に乗せて病院に来るまで、ほとんど口を開かず、問いにもほぼ無言であった。その彼女が、医師の一言で笑ったのです。驚きました。
仏様の解決方法
物事を解決するにはいろいろな方法があります。お釈迦さまは四諦(したい)という方法を示されています。四つの諦め(あきらめ)というのですが、諦めは、飽きてしまう、達成をあきらめてしまうではなく、明らかにするという意味です。

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日時 2019年11月03日 23:03 | 分類項目: 和尚のひとりごと | 固定リンク(この記事のURL)

もう一度会いたい

「母を献体した」というご家族と遺体のない葬儀をした。故人は義理堅くも固執するような方ではなく、崇高な考えも持ち合わせる方だったから、献体と聞いても違和感はなかった。
その遺族から、「病院から、お返しますという文書をもらった」と連絡があり、「火葬場に午前九時と書いてあるから、和尚さんも来てほしい」といわれた。都合をつけて午前八時半に行くと遺族はもう着いていた。係に案内された控室で思い出話をしていると、定刻の十分ほど前に、ネクタイを締めた正装の先生がいらした。そして「献体」に感謝を述べられ、丁重に扱った由の説明をされた。遺族も静かに伺った。
一段落すると時計に目を移され「間もなく火葬は終わります」といわれた。
その時、遺族も私も、その意味が分からなかった。しばらく沈黙して遺族が口を開いた。「もう火葬になっているということですか」と。「はい、午前七時半から」。

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日時 2019年11月01日 22:25 | 分類項目: 和尚のひとりごと | 固定リンク(この記事のURL)


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