和尚のひとりごと

曹洞宗 島田地蔵寺 「和尚のひとりごと」です。
お彼岸です smap 解散

「世界に一つだけの花」は天上天下唯我独尊

「Smap 解散」の衝撃は世界に波及しました。申すまでもなく、とても親しまれているグループでチームの歌手活動はかりでなく、ドラマ、舞台と活躍し、集まれば陽気で闊達、日本を代表する若者という囲気もあれました。ただ、結成して二十八年、平均年齢40歳を越しました。ビートルズの活動は十年に及びはませんでした。ダークダックスとも違って彼らのスタンスは活動です。それぞれ方向性も異なり、別の歩みを始めるころなのでしょう。
「世界に一つだけの花」

彼らがたくさんの歌の中で四曲が中学や高校の音楽の教科書に使用され、中でも「世界に一つだけの花」は英訳はかりか中国語にも翻訳されているそうです。
この曲の作詞作曲は槙原敬之さん。1969年生まれ。もともと高校時代から音楽の能力で知られていましたが、三年の浪人を経てやっと大学一年生になったその年一九九一年、平成三年、「どんなときも」の澄んだ歌声はミリオンセラーとなり、紅白歌合戦にも初出場。時はバブル崩壊の大変革時で、口ずさんで自分を鼓舞した人もいたと思います。
その後も、ヒット曲は続きますが、一九九九年、覚せい剤取締法違反で逮捕されます。最近もありましたが、芸能人の逮捕は、コンサート中止による補償、キャンセル料の発生、契約違反等が発生します。彼も一時は七億円を越す借財を背負ったそうです。

『天上天下 唯我独尊』ということ
その時の警察の留置所生活が彼の人生観を一変させたといいます。留置場は4人部屋でしたが、同室の同年輩から「苦労知らずの成功者」と皮肉られ、自分の歌が人の心に届いていないことを自覚します。そして鉛筆も持てない生活の中で「何が間違っていたか」と振り返り、彼は「仏教」に出会います。それも、幼き頃の思い出が後押した「仏教」です。彼は幼児期に仏教寺院の運営する施設に通っていました。毎年のお釈迦様の誕生を祝う「花まつり」で園長先生から「天上天下唯我独尊」ということを教わりました。「私がこの世で一番尊い」ということですが、この「私」はすべての生き物、自然まで含みます。それぞれが尊い存在であるということです。それぞれ認め合って構成されているということです。また、阿弥陀経も読んだようです。極楽の華やかさ、特に青色青光、黄色黄光、赤色赤光、白色白光、微妙香潔 青い花は青い光 黄色の花は黄色い光、赤い花は赤の光 ・・・という表現も心に響いたようです。

「さぁ、乗り越えよう」
この事件は公判で検事が「私もあなたのCDをいくつか持っています。聞くと元気が出ますよね」と発言したことも話題になりました。彼自身も「びっくりした。しかと受け止めて頑張ろうと思った」と語ったそうです。なによりも、この事件を経験して「ここまで人の気持ちに触れよ
うと思ったことって、なかったんですね。あの事件があったおかげで『僕は僕だけで生きてるんじゃない』『僕の歌を本当に聴いてほしい人に歌が届いてない』ということに気がついたと語っています。
人は様々な経験をします。大きな失敗で人生を見失う人もいますが、失敗のない人生はありません。そこから何を学び、何を得て、どう乗り越えていくか。仏様はそんな「力」を与えて下さった、また彼自身もそれに気づいたのです。

「世界に一つだけの花」 はこうした中で、彼が「仏様のおしえ」を再確認し、それぞれ輝いている。何も比べる必要はない。人間は人の評価に、高価な品物を持っているとか、立派な地位にいる、と言ってつい比べます。それがその人の正しいは外見に目を奪われている。自分の生き方だけに集中すれば何も卑下することもなく、うらやむこともない。それぞれ尊い存在だ。
だから、「ナンバーワンではなくオンリーワン」という主題がつけられたそうです。


日時 2016年09月24日 10:12 | 分類項目: 和尚のひとりごと | 固定リンク(この記事のURL)


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